Archive for 7月, 2023

「森の学校」キョロロ研究報告4巻発刊のお知らせ

木曜日, 7月 6th, 2023

今年6月末に、キョロロ学芸員・(元)研究員やその関係者による研究・事業の成果が「森の学校」キョロロ研究報告4巻にて公表されました。PDFで無料で閲覧可能です。

https://www.matsunoyama.com/kyororo/bulletin-of-research

今回は研究報告が7報、事業報告が1報あり、いずれもキョロロ周辺や十日町市内で実施された調査や事業がベースとなっています。研究報告では十日町市の生物相に関する研究結果がまとめられており、絶滅危惧種や日本全国~松之山ローカルレベルまでの新記録種が多く報告されています。

今回の研究報告で特に目玉となるのは、表紙になってる「ヤチアミメトビケラ」の十日町市での初記録!本種は本来は標高1000m以上の高層湿原に生息しますが、標高約300mのキョロロの森での本種の発見はトビケラ業界では大きなインパクトがあったようです。

また、止水域の水生植物相の調査結果は松之山地域内の池で分布を広げている恐れがあるアメリカザリガニの影響をモニタリングする上での貴重なデータとなることが期待されます。その他の報告についても過去にない貴重な研究成果となっていますので、ご関心のある方は是非ご覧ください。

 

<研究報告>

■新潟県産ガガンボ上科の文献記録及び松之山からの追加記録(昆虫綱:ハエ目) 加藤大智
■新潟県十日町市松之山で採集されたトビケラ類(昆虫綱)の記録 河瀬直幹・加藤大智

■十日町市松之山のハナアブ科の追加記録(昆虫綱:ハエ目  加藤大智・平賀戸貴和・平賀利江・小林頼叶・小林光・村越心士・村越菫・村越勝彦・村越舞・大谷成輝

■小坪野沢の底生動物相 大平 創

■新潟県十日町市におけるマツヘリカメムシの初記録 大平 創・加藤大智

■「森の学校」キョロロ周辺の止水域に生育する水生植物の種組成 斎藤達也・櫻井俊司

■十日町市におけるハナダカダンゴムシの初記録(等脚目,オカダンゴムシ科) 富塚茂和・小海修

<事業報告>

■植物染色試料の収集を目的とした市民協働調査「草木染で里山の色探し」の実践 斎藤達也

【オンライン講座】夏の里山いきものラボ!-夏休みの自由研究に!雪国の里山の生物多様性を学ぼう-

水曜日, 7月 5th, 2023

【オンライン講座】夏の里山いきものラボ!-夏休みの自由研究に!雪国の里山の生物多様性を学ぼう-
日本遺産「究極の雪国とおかまち ―真説!豪雪地ものがたり―」に認定されている新潟県十日町市の里山。この里山の生物多様性について、学芸員がオンラインでお話いたします。里山のブナの森、アカショウビンやトノサマガエルといった里山の生物、棚田でのお米作りと生き物との深い関係など、豪雪地ならではの生き物の特徴や多様性を探究しながら、里山の自然や暮らしの中で見つかる様々な「多様性」「持続可能性」についても理解を深めます。7/29-30に開催する「いきものだらけの冒険キャンプ」の事前学習となりますが、オンライン講座のみの参加もOK!夏休みの自由研究の題材、探究学習の一環としてぜひご参加ください。

【日時】2023年7月22日(日)11:00から12:10まで
【タイトル】夏の里山いきものラボ-夏休みの自由研究に!雪国の里山の生物多様性を学ぼう-
【参加費】無料
内容&お申込みページはこちらから▶▶▶
https://shokugyotaiken.com/event/208(外部サイトになります)

 

▼▼▼▼▼▼モニターツアー▼▼▼▼▼▼
なお、このオンライン講座の後の企画として、モニターツアー「いきももだらけの冒険キャンプ」を行います。
2023年7月29日(土)・30日(日)に「森の学校」キョロロ・大厳寺高原キャンプ場を会場とした限定25名での探求型キャンプです(イベントは有料となります)。
是非こちらの参加もご検討ください。

【モニターツアー】「いきものだらけの冒険キャンプ!雪国の生物多様性を探究する夏旅」
https://shokugyotaiken.com/event/209(モニターツアー詳細へのリンク)

 

定例探鳥会の報告・こども探鳥会のご案内・オオコノハズクの記録

水曜日, 7月 5th, 2023

6月24日の定例探鳥会の報告

午前4時30分から7時30分まで キョロロの森から松口地内周回コース(約3㎞)
天気曇り、参加者大人17名、小人2名
確認種 36種:
カルガモ、キジバト、カワウ、アオサギ、ホトトギス、トビ、サシバ、アカショウビン、コゲラ、オオアカゲラ、アカゲラ、アオゲラ、サンショウクイ、カケス、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ヤマガラ、ヒガラ、シジュウカラ、ツバメ、ヒヨドリ、ウグイス、ヤブサメ、ゴジュウカラ、ムクドリ、クロツグミ、コサメビタキ、キビタキ、オオルリ、ニュウナイスズメ、スズメ、キセキレイ、カワラヒワ、イカル、ホオジロ、ノジコ

市外、県外からの新しい参加者4名と、小学生2名を含めた19名の参加がありました。
曇り空の中探鳥会を始めると、キョロロの森からキビタキの囀る声がしきりに聞こえてきました。前方の枯れ枝にキジバトを見ていると、目の前をアカショウビンが横切りました。姿を見ることはめったにありません。運がよかったのですね。猛禽類が野鳥をつかんで飛ぶ姿をカメラでとらえましたがその鳥の種の判別はできませんでした。小粒の雨が降り始め、帰路を急ぐと目の前の路上にクロツグミが餌を口いっぱいに咥えているのに出会いました。
複数の虫などをどうやって咥えるのでしょうか。子育てで忙しそうでした。
オオルリやオオアカゲラなどたくさんの鳥を観察できた探鳥会でした。

当日見られた野鳥など

アオサギ 樋口撮影

サシバ 加藤撮影

鳥をつかんで飛ぶ猛禽類 樋口撮影
オオタカのようには見えますが判別できません。

オオアカゲラ 村山撮影

オオアカゲラ 村山撮影

ムクドリ 村山撮影

虫を咥えるクロツグミ 村山撮影

ニュウナイスズメ 加藤撮影

キセキレイ 村山撮影

ノジコ 加藤撮影

ホオジロ 大出撮影

7月の松之山こども野鳥の会主催のこども探鳥会のご案内

【日時】令和5年7月8日(土) 午前8時から9時30分まで
【集合】まつのやま学園駐車場 雨天の場合はまつのやま学園のピロティ
【探鳥コース】まつのやま学園周辺
【その他】探鳥後、鳥合わせをして解散します。

主に小中学生が対象ですが、どなたでも参加できます。小学3年生以下は保護者同伴でお願いします。参加をご希望される方は「森の学校」キョロロ(℡025‐595-8311)にお申し込みください。

最近撮影された野鳥写真

ノスリ 村山撮影

ノスリ 村山撮影

ノスリ 村山撮影

松之山の新しい野鳥の記録 151種目

オオコノハズク
今年の6月に、松之山地内にある古い建物を解体する際に見つかった鳥の死骸が届けられた。詳しく調べてみるとオオコノハズクと分かりました。松之山の記録の151種目としての新規確認種でありました。