Archive for 11月, 2023

定例探鳥会の報告とこども探鳥会最終回の案内

火曜日, 11月 7th, 2023

10月の定例探鳥会の報告               

2023年10月28日(土)

午前6時から9時まで キョロロの森から松口地内周回コース(約3㎞)

天気曇り、参加者数大人11人、小学生2人、確認種数28種

マガモ、キジバト、アオバト、カワウ、コゲラ、アオゲラ、モズ、カケス、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ヤマガラ、シジュウカラ、ヒヨドリ、ウグイス、エナガ、メジロ、ゴジュウカラ、カワガラス、マミチャジナイ、ツグミ、ジョウビタキ、スズメ、セグロセキレイ、アトリ、カワラヒワ、イカル、ホオジロ、カシラダカ

天候に恵まれ、冬鳥のアトリの大群が終始空を舞う姿が印象的な探鳥会でした。モズの高鳴きもよく聞こえ、冬鳥のマガモ、ツグミ、ジョウビタキ、マミチャジナイ、アトリ、カシラダカなどが確認されました。マミチャジナイがキハダの実をせっせと食べている姿も印象的でした。冬が近づいていることを強く感じた探鳥会でした。

当日撮影された野鳥

アオバト 樋口撮影

カワウ 樋口撮影

モズ 加藤撮影

カケス 樋口撮影

マミチャジナイ 樋口撮影

ツグミ 加藤撮影

ジョウビタキ 加藤撮影

セグロセキレイ 加藤撮影

アトリ 樋口撮影

カワラヒワ 樋口撮影

カシラダカ 加藤撮影

探鳥会開会の様子 樋口撮影

11月のこども探鳥会のご案内(今年度最終回)

【日時】令和5年11月11日(土) 午前8時から9時30分まで

【集合】まつのやま学園駐車場 雨天の場合はまつのやま学園のピロティ

【探鳥コース】まつのやま学園周辺

【その他】探鳥後、鳥合わせをして解散します。

主に小中学生が対象ですが、どなたでも参加できます。小学3年生以下は保護者同伴でお願いします。参加をご希望される方は「森の学校」キョロロ(℡025‐595-8311)にお申し込みください。

最近撮影された野鳥の写真

アオゲラ 村山撮影

エナガ 村山撮影

ツグミ 村山撮影

ジョウビタキ 村山撮影

キンクロハジロ 樋口撮影

イカルチドリ 村山(祐)撮影

2023年11月のハナアブしらべ活動報告

火曜日, 11月 7th, 2023

今年も11月に突入し、日中でも肌寒い日が多くなってきました。しかし、ここ数日は日本で温かい日が続き、まだハナアブなどの昆虫も少量ながら活動していました。ハナアブの好むセイタカアワダチソウやユウガギクなどの花がまだ一部咲いており、採集の条件はなかなか良かったのですが、やはりこの時期は種数・個体数ともに少なくなります。今回は以下の通り5種が確認されました(もう1種確認しましたが採集できず)。松之山初確認の種はいませんでしたが、ヘリヒラタアブはこれまで大厳寺高原で1個体のみ確認されていましたので、キョロロでは初確認となりました。

①ホソヒラタアブ

②オオハナアブ

③ヘリヒラタアブ

④ホソヒメヒラタアブ

⑤ミナミヒメヒラタアブ

その後は今年のハナアブしらべの成果を振り返りました。去年の段階で松之山で94種が確認されていましたが、今年はハナアブしらべやその他の個人的な調査により、12種が新たに松之山で確認され、合計106種となりました。ハナアブしらべもこれで4年目となり、松之山産ハナアブのデータがだいぶ蓄積されてきましたが、これでもまだまだ多くの種が未発見だと思われます。これまでの調査地も松之山の中でのほんのごく一部でしかありません。おそらくは松之山には150種くらいは生息しているのではないかと想像します。自然の奥深さやそれを調べる大変さというのを感じるばかりです。

次回からはハナアブしらべでは、自然を調査するのではなく、標本を調査していただきます。一般にレベルとしては高校生~大学生レベルの内容になるかと思いますが、顕微鏡を用いたハナアブの同定方法を学んでいく予定です。この同定方法はハナアブに限らず、ほぼ全ての昆虫やその他の小動物にも使える技術ですので、虫の知識を深めたい方には大切な技術になります。雪の積もる時期にもなっていきますが、ご関心のある方はぜひ参加してみてください。次回は12/3(日)10~12時に実施します。時間帯も変わりますのでお間違いのないようお願いいたします。

11月の夜の里山探検の活動報告

日曜日, 11月 5th, 2023

キョロロ人気イベントの一つの夜の里山探検。今回は初めての試みとして、夜には十分に寒くなる11月に実施しました。主にライトトラップに集まる昆虫を観察したり、夜にブナ林を散策したりしました。

この時期の夜に生き物が見れるのかと疑問に思う方も多いかもしれません。実際、これまでのより温かい時期に実施した夜のイベントでは、草や枝の上、池の中や水際に昆虫、カエル、イモリ、メダカなどがたくさん観察されましたが、今回はその機会はだいぶ少なくなりました。しかし、ライトトラップでは主に晩秋に発生する魅力的な昆虫が集まってくれました。この日はちょうど日中の気温が高く、月の光も弱いというライトトラップには好条件の天候でした。この時期を代表する大型の昆虫として、子供の手のひらサイズはある、ヒメヤママユ、ウスタビガ、クロウスタビガの3種のヤママユガ科が挙げられますが、なんとそのうちの後者2種が来てくれました。もともとこれらの蛾を知っている参加のお子さんたちは大興奮。その他にも様々な蛾や、トビケラやガガンボも多く来ていました。下の写真はこのライトトラップにやってきた蛾で、赤丸は晩秋のみに成虫が発生する種を意味します。

前半には徐々に虫が集まってきましたが、後半は気温がさらに低くなったためか、ほとんどライトに着た虫に変化は起こらず。それからは夜にうっすらと光ることが知られるツキヨタケを観察しに、ブナ林に入りました。ツキヨタケはブナの立ち枯れや倒木にこの時期によく生えますが、やや時期が遅く、キノコが古くなってしまい、ほとんど光っている様子は観察できませんでした。しかし、そのキノコを食べに来る、キノコムシ類、ハネカクシ類、ケシキスイ類、ヤマナメクジなどが大集合していて、楽しい観察ができました。

このように、吐く息が白くなるほどの寒さの中でも多くの生き物を観察できました。寒い時期に活動することのメリットの一つに、天敵が少ないため捕食されにくいという点があります。これからの時期、さらに昆虫の量は減っていきますが、一般にフユシャクと呼ばれるシャクガ科の蛾などが主に活動し始めます。ご参加のお子さんからは、12月にもライトトラップをやりたいというお声もいただきました。さらに寒く静かな夜に、ひらひらと弱々しく飛ぶ蛾の姿は何とも言えない趣があります。12月の夜の里山探検もぜひ検討したいところです。今回寒い中ご参加いただいた皆様、誠にありがとうございました。

※11月6日 カバエダシャクをエグリヅマエダシャクに修正しました。