Archive for 5月, 2024

【開催報告】キョロンボを探せ!&講演会【2024年国際博物館の日記念事業】

土曜日, 5月 25th, 2024

本日、2024年国際博物館の日記念事業のイベントとして、「キョロンボを探せ!」と「講演会」を実施しました。キョロンボはキョロロコケヒメガガンボの略で、2023年にキョロロで採られた標本に基づいて新種記載されたガガンボの仲間です。このガガンボは元キョロロ研究員である加藤大智さんによって発見・記載されました。今回はそんな加藤さんをお招きして、午前・午後に開催したイベントです。

午前はみんなでキョロンボを探す屋外イベント「キョロンボを探せ!」。日差しが暖かく、動いていると少し汗ばむような感じでした。お日様の下、過去にキョロロコケヒメガガンボが採れている場所を中心に、みんなで捕虫網を振りました(草木を網でスウィーピング)。果たしてキョロンボは採れたのでしょうか?


▲加藤さんの指導の下、キョロンボを探す参加者の皆さん


▲キョロロの展望台を背景に


▲これはキョロンボ!・・・ではないガガンボ


▲確認されたガガンボ一覧

残念ながら、キョロロコケヒメガガンボを見つけることはできませんでした。実はこのキョロロコケヒメガガンボは、キョロロで2個体、新発田市で1個体しか見つかっていない激レアな種です。キョロンボは見つけられませんでしたが、多種多様なガガンボを採集・観察し(今回は24種)、ガガンボの種多様性の高さを知ることができました。

そして午後は講演会でした。タイトルは「ガガンボと新種の話 ~新種キョロロコケヒメガガンボ、発見秘話!~」。加藤さんのガガンボ愛や、新種として記載するときのメソッド、そして、キョロロコケヒメガガンボをどうやって発見したのか、についてお話いただきました。


▲講演会の様子


▲講演会の様子


▲講演会の様子(スライド:なぜ「キョロロ」と名付けたか)

ガガンボってなに?という基本的な話から、科学の作法に関する話もあり、色々な視点からのご講演でした。生きているガガンボの姿を映した動画などもあり、楽しくそして勉強になる講演会でした。最後には加藤さんから子供たちに嬉しいプレゼントもありました。

また、今回キョロロでは初めての試みとして、YouTubeライブでの同時配信を実施しました。慣れないなかで機材トラブルもありましたが、YouTubeライブでも皆さんからご覧いただきました。この配信の様子はアーカイブとして、すでにキョロロのYouTubeチャンネルに掲載されています。ご興味のある方はどうぞご覧ください(後日、編集版をアップロード予定です)。

今回のイベントは、日本一のガガンボ研究者である加藤さんと一緒にガガンボを採集して、加藤さんのお話を聞くという、とても貴重な機会でした。本当に楽しく充実した一日でした。加藤さんどうもありがとうございました。

こども探鳥会報告と定例探鳥会のご案内、及び、野鳥集会と第68回松之山探鳥会のご案内(再掲)

木曜日, 5月 23rd, 2024

5月のこども探鳥会の報告

令和6年5月11日(土)8時から9時30分まで好天の中で実施できました。参加者は、大人12人、小学生6人、幼児1人の19名でした。ムクドリがくちばしに虫などをいっぱいに咥えている姿を観察できるなど、楽しい探鳥会となりました。夏鳥のクロツグミやノジコなどの美しい囀りを終始聞きながらの有意義な探鳥会となりました。
確認できた鳥は次の22種でした:
キジバト、コチドリ、アカゲラ、アオゲラ、サンショウクイ、カケス、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ヤマガラ、ツバメ、ヒヨドリ、ウグイス、メジロ、ムクドリ、クロツグミ、キビタキ、スズメ、キセキレイ、セグロセキレイ、カワラヒワ、ホオジロ、ノジコ

当日の観察された野鳥


▲餌を咥えたムクドリ


▲暑さのためか口を開けているハシボソガラス


▲探鳥会の様子


▲鳥合わせ

5月の定例探鳥会のご案内

アカショウビンなど夏鳥の囀りが盛んに聞こえる季節となりました。5月の定例探鳥会を次のように計画しています。さわやかな朝の探鳥会に参加してみませんか。

【日 時】令和6年5月25日(土)4時30分~7時30分
【集合地】「森の学校」キョロロ駐車場
【日 程】4:30 探鳥会開始
     7:20 鳥合わせ・情報交換
     7:30 終了予定

最近撮影された野鳥


▲畔に上がったカルガモ

松之山野鳥愛護会主催 野鳥集会と第68回松之山探鳥会のご案内 再掲

1.野鳥集会
【日 時】令和6年5月25日(土)19時~21時
【会 場】松之山温泉 鷹の湯2階
【発表会】「松之山の野鳥」(松之山野鳥愛護会会員、30分)
【講 演】「ハクチョウの故郷を訪ねて」(前県野鳥愛護会会長 渡辺央様、60分)

2.第68回松之山探鳥会
【日 時】令和6年5月26日(日)4時30分~7時30分
【会 場】「森の学校」キョロロの森、他下川手集落内
【集 合】「森の学校」キョロロ駐車場 午前4時30分
【探鳥地】美人林周辺・バードピア須山(キョロロの森)・下川手集落内(高畑コース・越道川コース・須山コースからひとつ選んでください)
【講 師】主任講師・新潟県野鳥愛護会員 渡辺央様
【日 程】
4:30 集合
4:40 開会の挨拶・講師挨拶・班編成
4:50 探鳥に出発
7:00 駐車場へ戻る
7:10 班ごとの鳥合わせ、全体の鳥合わせ、講師講評
7:30 閉会の挨拶、解散
【申し込み先】十日町市立里山科学館越後松之山「森の学校」キョロロ(℡ 025-595-8311、または公式ウェブサイトの問合せフォームから)
【参 加 費】500円(中学生以下は無料、参加費と引き換えに機関誌「あかしょうびん」と「探鳥のしおり」を提供します)
【主催・共催】十日町地域振興局健康福祉部・十日町市・「森の学校」キョロロ・松之山野鳥愛護会

5月のクモしらべの結果のご報告

水曜日, 5月 22nd, 2024

5/18(土)にキョロロの森に住むクモを調べる市民協働調査、「クモしらべ」を開催しました。残念ながら参加者はいなかったのですが、調査結果だけ本記事でご報告します。

今回のクモしらべは低木や草本上のクモをスイーピング法で採集したり、リター(落ち葉)中のクモをシフティング法で採集しました。
調査の結果、今回の調査では12 科 24 属 34 種のクモを採集できました。

タナグモ科
1.クサグモ (未成熟)
2.ヤチグモ亜科の一種 (未成熟)

コモリグモ科
3.イナダハリゲコモリグモ (♀)
4.ハタハリゲコモリグモ (♂)
5.ハリゲコモリグモ (♂)
6.カイゾクコモリグモ属の一種 (未成熟)

キシダグモ科
7.ハシリグモ属の一種 (未成熟)

ヒメグモ科
8.ギボシヒメグモ (♂)
9.ヒメグモ科の一種1 (未成熟)
10.ヒメグモ科の一種 2 (未成熟)
11.ヒメグモ科の一種 3 (未成熟)

サラグモ科
12.チビアカサラグモ (♀)
13.ザラアカムネグモ (♀)
14.ミヤマナンキングモ (♂)
15.ヒメヨツボシサラグモ (♂)
16.コウライサラグモ (♀)
17.ヤガスリサラグモ (♀♂)
18.サラグモ科の一種 (♂)

アシナガグモ科
19.シロカネグモ属の一種 (未成熟)
20.エゾアシナガグモ (♂)
21.アシナガグモ属の一種 (未成熟)

コガネグモ科
22.クマダギンナガゴミグモ (未成熟)
23.ヨツデゴミグモ (♀)
24.ヌサオニグモ (未成熟)
25.ムツボシオニグモ (♂)

シボグモ科
26.シボグモ (未成熟)

カニグモ科
27.トラフカニグモ (♂)
28.ハナグモ (♀)
29.コハナグモ (未成熟)

ウエムラグモ科
30.カムラタンボグモ (♂)

ウラシマグモ科
31.ウラシマグモ属の一種 (未成熟)

ハエトリグモ科
32.マミジロハエトリ (♂, 未成熟)
33.マガネアサヒハエトリ (♀, ♂)
34.メガネアサヒハエトリ (♂)
35.シロスジカノコハエトリ (未成熟)

今回の調査ではコウライサラグモ、カムラタンボグモ、シロスジカノコハエトリの3種のクモを初めて確認できました。

コウライサラグモ


カムラタンボグモ

 


シロスジカノコハエトリ

今回一番気になったクモは上記リストの18番のサラグモ科の一種。クモは交尾器で種同定を行うのですが、このサラグモ科の交尾器は非常に変わった形態をしていました。引き続き同定作業を進める予定ですので、進捗がありましたらまたご報告させていただきます。

未判明のサラグモ科の一種