Archive for 6月, 2024

2024年夏季企画展「生き物デザイン学校」生き物の形の面白さに触れよう!

木曜日, 6月 27th, 2024

\なぜ、生き物はこんな形をしているの?/
「森の学校」キョロロでは、夏季企画展「生き物デザイン学校」を開催します。今回の企画展では、生き物の形のデザインを「支える」「食べる」「飛ぶ」「探す」「あざむく」「愛」の6つのトピックから紹介します。生き物の持つ形の特徴について、標本やクイズなどを通して楽しく学べる企画展です!

【会期】2024年7月13日(土)から10月14日(月・祝)まで
※7月8日(月)から12日(金)は展示入れ替え休館

【休館日】火曜日 ※8月13日(火)は開館

【その他】
①十日町市指定文化財「トロゴンテリゾウ」臼歯化石の展示
十日町市博物館と連携し、企画展内の「食べる」コーナーにて十日町市指定文化財「トロゴンテリゾウ」臼歯化石を展示します。
②カブトムシルーム
館内設置のテント内にて間近でカブトムシを観察できます(期間:主に8月中)。
③大地の芸術祭作品「超高解像度人間大昆虫写真 life-size」の展示
大地の芸術祭アーティスト橋本典久氏+scope制作の「超高解像度人間大昆虫写真 life-size」を館周辺の野外に18個展示します(期間:大地の芸術祭開催期間中)。



▲ニワハンミョウのアゴ

「トロゴンテリゾウ」臼歯化石

▲ウリハダカエデの種子(翼果)


▲カブトムシルーム

▲「超高解像度人間大昆虫写真 life-size」(野外タイプ)

【活動報告】増やさない!オオハンゴンソウ「里山の生き物サポーターズ(6月)」

木曜日, 6月 27th, 2024

6月の「里山の生き物サポーターズ」はオオハンゴンソウの調査・駆除・実験をテーマに実施しました(6/22)。
オオハンゴンソウは北アメリカ原産のキク科の多年草で、繁殖力が強く、野生化し日本各地に定着しています。
現在では外来生物法により環境省が「特定外来生物※」に指定している植物で、各地で駆除活動も実施されています。松之山でも各所で見られ増加傾向にあり、キョロロ周辺でも小規模な群落が確認されています。

▲開花したオオハンゴンソウ。例年7月くらいから開花が見られ始めます。

今回の活動では、調査区を設置して①抜き取り、②刈り取り、③無処理の区画を設けて作業を実施しました。
異なる管理方法を比べて、今後の活動の時期や内容の参考にするためです。
暑い中でしたが、参加者の皆さんからご協力いただき、1時間ほどで作業を終えることができました。


※無処理区含め、この場所のオオハンゴンソウは開花前にさらに駆除活動を実施予定です。

オオハンゴンソウは種子とともに地下茎で繁殖する多年草であり、根が残っていると再生するので<抜き取り区>では根こそぎ引き抜きます。
根を残さないようスコップなども使いながら抜き取りを行いました。長い地下茎や多くのひげ根がついていました。

確実に防除するため、ごみ袋にまとめて回収し全て焼却処分といたしました。
増えすぎてからでは根絶が非常に困難です。これ以上オオハンゴンソウが増えないよう、引き続き抜き取り作業や抜き取り後のモニタリング、分布調査などを行っていきたいと思います。

※特定外来生物:外来生物のうち、地域の生態系に大きな影響を与えたり、人の生命・身体、農林水産業へ被害を与えたりするものを、外来生物法に基づき国(環境省)が「特定外来生物」として指定した生物。特定外来生物は、飼育や栽培、保管、運搬、輸入などが原則禁止されており、違反すると罰則もあります。

【開催報告】6月の「クモしらべ」

火曜日, 6月 25th, 2024

6/15(土)にキョロロの森に住むクモを調べる市民協働調査、「クモしらべ」を開催しました。大人3名、子供1名の計4人のご参加があり、研究員と合わせて5名でキョロロの森の草むらや落ち葉の上に生息するクモを調べました。当日は暑いくらいの気温であった上に、何日も降雨が無かったためクモたちもあまり活動していないことが危惧されましたが、予想に反して11科28属37種のクモを見つけることができました。

【2024/6/15のクモ調査で記録されたクモ目】(太字が新しく記録された種)

ハグモ科
1. ヒナハグモ(♀)

タナグモ科
2. クサグモ(未成熟)
3. ヤチグモ亜科の一種(未成熟)

サラグモ科
4. ミヤマナンキングモ(♀)
5. ヨツボシサラグモ(♀)
6. ヒメヨツボシサラグモ(♀♂)
7. ハンモックサラグモ(♀)

ヒメグモ科
8. イワワキアシブトヒメグモ(♂)
9. ムナボシヒメグモ(♀)
10. バラギヒメグモ(♀)
11. ヒロハヒメグモ(♀)
12.
クロササヒメグモ(♀♂)
13. コンピラヒメグモ(♂)
14. ツリガネヒメグモ(♀)
15. イソウロウグモ属の一種(未成熟※恐らくフタオイソウロウグモ)
16. カニミジングモ(♀♂)

カラカラグモ科
17. ヤマジグモ(♂)
18. カラカラグモ(♀♂)

アシナガグモ科
19. チュウガタシロカネグモ(♀♂)
20. コシロカネグモ(♀♂)
21. キララシロカネグモ(♀♂)
22. ヤサガタアシナガグモ(♀)
23. エゾアシナガグモ(♂)

コガネグモ科
24. トゲグモ(♂未成熟)
25. クマダギンナガゴミグモ(♀)
26. ヨツデゴミグモ(♀)
27. カラオニグモ(♀)

ワシグモ科
28. クロチャケムリグモ(♀)*

カニグモ科
29. ワカバグモ(♂)
30. コハナグモ(♀)

フクログモ科
31. フクログモ科の一種(未成熟)

ハエトリグモ科
32. マガネアサヒハエトリ(♀)
33. デーニッツハエトリ(♀)
34. マミジロハエトリ(♂)
35.  ヤハズハエトリ(♂)
36. キレワハエトリ(♀♂)
37. シロスジカノコハエトリ(♂)

今回の調査では新たにハンモックサラグモ、ヒロハヒメグモ、クロササヒメグモ、クロチャケムリグモ、ヤハズハエトリの5種が松之山で記録されました。
先月と比べると種の構成にかなり変化がみられる他、成体が多く確認できたことが今回の結果の特徴でした。個人的に注目したいのはNo.24のトゲグモのオス未成熟が採集できたことです。トゲグモはその名の通り腹部にトゲがある変わったクモ。傾向としてオスのほうが成体が早めに出現することが多いので、来月の調査でオスメス両方の成体が見つかることを期待しています。次回の調査は7/13(土)に開催予定ですので、皆様ぜひご参加ください。

トゲグモ♀