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【第2回】ゲンゴロウ相調査【市民協働調査】

月曜日, 7月 1st, 2024

先日の6月29日に第2回のゲンゴロウ相調査を開催しました。第1回は4月の開催で良い気候のなかで調査できましたが、今回は梅雨の期間で雨が心配でした。しかしながら、幸運にも好天に恵まれ、むしろ非常に暑い一日でした。熱中症にならないよう、水分補給などに気を付けながらの調査となりました。

今回はスペシャル講師として、ゲンゴロウの専門家である吉井重行先生をお招きしました。吉井先生は、この調査の参加条件のひとつでもある「ゲンゴロウ・ガムシ・ミズスマシハンドブック」(三田村・平澤・吉井 著)の著者のお一人です。そんな専門家に指導してもらえる貴重な機会でした。


▲吉井重幸先生(写真中央)

また、吉井先生には標本と生きている虫まで持ってきていただきました。希少な水生甲虫や水生半翅類の標本や、新潟県では滅多にお目にかかれない生きているタガメを見て、参加者は大興奮でした。


▲水生甲虫類の標本(ゲンゴロウやガムシ等)


▲水生半翅類の標本(タガメやタイコウチ等の水生カメムシ類)


▲ゲンゴロウの幼虫・蛹・成虫やタガメを見て触って大興奮

調査の冒頭、吉井先生から「この時期はゲンゴロウの成虫ではなく幼虫が多い時期」、「大きなゲンゴロウだけではなく小型(数mm)の種類も探しましょう」とお言葉をいただき、胴長靴と網をもってキョロロ敷地内の池に出発しました。


▲キョロロの池で調査中


▲キョロロの池で調査中

「〇〇が狙いならここを探してごらん」、「同じところを網で3回ガサガサ」、「小さい種類は白いバットのうえで確認しよう」など、吉井先生から様々な探し方を指導してもらいました。また、このように生き物を探すことは環境破壊にもつながることを意識するように!と一同薫陶を受けました。自分の興味や楽しさだけを追求してはいけないということです。生き物を愛するからこその教えですね。


▲吉井先生の指導のもと採集する参加者


▲吉井先生の指導のもと白いバットのうえで小型種を探す

後半は前回同様に標本をつくって同定しました。今回はゲンゴロウも採れたので、タトウ標本だけではなく、展足板を使った標本も作りました。小学生が作った標本を見て、ちゃんと足をひろげていて偉い!と吉井先生もおっしゃってくださいました。


▲タトウ標本を作製中


▲展足したゲンゴロウ

今回の調査の結果、合計9種のゲンゴロウが記録されました。新記録種として、クロズマメゲンゴロウとマメゲンゴロウが記録されたことにより、キョロロ周辺あるいは松之山には18種のゲンゴロウが分布することになります。最後に吉井先生から、この環境であればもっと多くのゲンゴロウが生息していると予想されるので、調査を継続してよく調べてください、と激励していただきました。豊かな水辺が広がる松之山、そして、キョロロです。今回の経験や勉強をしっかりと胸に刻んで、周辺地域のゲンゴロウを含む生物相を記録し、解明していきたいと思います。

吉井先生、本当にありがとうございました。また、参加者の皆さんもお疲れ様でした。第3回は期間を少し空けて10月19日(土)の開催です。