【開催報告】6月の「クモしらべ」

6/15(土)にキョロロの森に住むクモを調べる市民協働調査、「クモしらべ」を開催しました。大人3名、子供1名の計4人のご参加があり、研究員と合わせて5名でキョロロの森の草むらや落ち葉の上に生息するクモを調べました。当日は暑いくらいの気温であった上に、何日も降雨が無かったためクモたちもあまり活動していないことが危惧されましたが、予想に反して11科28属37種のクモを見つけることができました。

【2024/6/15のクモ調査で記録されたクモ目】(太字が新しく記録された種)

ハグモ科
1. ヒナハグモ(♀)

タナグモ科
2. クサグモ(未成熟)
3. ヤチグモ亜科の一種(未成熟)

サラグモ科
4. ミヤマナンキングモ(♀)
5. ヨツボシサラグモ(♀)
6. ヒメヨツボシサラグモ(♀♂)
7. ハンモックサラグモ(♀)

ヒメグモ科
8. イワワキアシブトヒメグモ(♂)
9. ムナボシヒメグモ(♀)
10. バラギヒメグモ(♀)
11. ヒロハヒメグモ(♀)
12.
クロササヒメグモ(♀♂)
13. コンピラヒメグモ(♂)
14. ツリガネヒメグモ(♀)
15. イソウロウグモ属の一種(未成熟※恐らくフタオイソウロウグモ)
16. カニミジングモ(♀♂)

カラカラグモ科
17. ヤマジグモ(♂)
18. カラカラグモ(♀♂)

アシナガグモ科
19. チュウガタシロカネグモ(♀♂)
20. コシロカネグモ(♀♂)
21. キララシロカネグモ(♀♂)
22. ヤサガタアシナガグモ(♀)
23. エゾアシナガグモ(♂)

コガネグモ科
24. トゲグモ(♂未成熟)
25. クマダギンナガゴミグモ(♀)
26. ヨツデゴミグモ(♀)
27. カラオニグモ(♀)

ワシグモ科
28. クロチャケムリグモ(♀)*

カニグモ科
29. ワカバグモ(♂)
30. コハナグモ(♀)

フクログモ科
31. フクログモ科の一種(未成熟)

ハエトリグモ科
32. マガネアサヒハエトリ(♀)
33. デーニッツハエトリ(♀)
34. マミジロハエトリ(♂)
35.  ヤハズハエトリ(♂)
36. キレワハエトリ(♀♂)
37. シロスジカノコハエトリ(♂)

今回の調査では新たにハンモックサラグモ、ヒロハヒメグモ、クロササヒメグモ、クロチャケムリグモ、ヤハズハエトリの5種が松之山で記録されました。
先月と比べると種の構成にかなり変化がみられる他、成体が多く確認できたことが今回の結果の特徴でした。個人的に注目したいのはNo.24のトゲグモのオス未成熟が採集できたことです。トゲグモはその名の通り腹部にトゲがある変わったクモ。傾向としてオスのほうが成体が早めに出現することが多いので、来月の調査でオスメス両方の成体が見つかることを期待しています。次回の調査は7/13(土)に開催予定ですので、皆様ぜひご参加ください。

トゲグモ♀

【いきものいっぱいの田んぼ】田の草とり&田んぼの生き物調査隊2024

6/16(日)にキョロロのお米づくりイベントの一つ「田の草とり&田んぼの生き物調査隊」を開催しました。
今年の田植えは荒天のためイベントは中止しスタッフで田植えを実施しましたが、約2週間経過し田んぼではヒエやオモダカ、イボクサなどが生え始めています。
キョロロの田んぼでは除草剤を使わず手作業でのお米作りを実施しているため、草とりも手作業。
「田の草とり」はお米づくりで一番大変な作業といわれて大変な作業ですが、おいしいお米のためです。

最初に館長から田の草とりに関する説明がありました。
昔のお米づくりでは、田の草とりをシーズンに3回ほど行っていたことや、田んぼのなかを歩いて攪拌すると、泥の中に入り込んでいるガスが抜けて、稲の生育に良い状態になるなどの説明のあと、さっそく田んぼに入り作業スタートです!


素手で田の草をとるだけでなく、手押しの除草機にもチャレンジ。
除草機を稲と稲の間に転がしていきますがコツがいります。経験者の皆さんお上手です!
みなさんからは一生懸命に田の草をとっていただきました!


後半は子どもたち中心に、手に網を持ちながら田んぼの生き物を調べました。田んぼの中にどんな生き物がいるかな?
歩くと泥で水が濁りますが、そのなかで動いているものを見つけて網ですくい上げます。
果たしてどんな生き物がいたのでしょうか。「オタマジャクシがいる!」「メダカがいた!」いろんな声が飛び交います。


集めた生き物は、白いバットに集めて観察します。
それぞれの種類について研究員から解説があり、見つけた生き物をリストアップして生き物たちの関係も考えます。
田んぼに暮らしている生き物たちも、食べたり食べられたりして過ごしています。田んぼという私たちがつくり出した環境にもたくさんの生き物がいて、それらが繋がって里山の自然ができていることを学ぶことができました。

暑い中、多くのみなさんに田の草とりを頑張っていただきました。
草もたくさん生えますが、そのほかにも様々な生き物がすんでいる田んぼです。きっとおいしいお米になるでしょう。
次回の米づくりイベントは、秋に予定されている稲刈りです。みんなで育てた稲を刈って、はさがけを行います。
みなさんのご参加、お待ちしております!

第3回こども探鳥会の報告と定例探鳥会(6月)のご案内

第3回こども探鳥会の報告

令和6年(2024年)6月8日(土)午前8時から9時30分まで 開始時気温は19℃、天気は晴れ

参加者は大人14人、小学生10人、幼児1人の25人でした。爽やかな晴天の探鳥会でしたが、途中から気温がどんどん上がりとても暑い日になりました。電線に止まるツバメを観察したらくちばしが黄色で、尾羽が伸び切っていない幼鳥でした。その後も観察を続けると、ヤマガラやシジュウカラのヒナが混じるファミリーを観察できました。もうヒナが巣立っていました。クロスカントリーの練習コースに入ると桑の実を見つけ、子どもも大人もみんな群がって食べていました。ヒヨドリも好物らしく盛んに食べていました。野鳥の姿をじっくり観察することは少なかったのですが、さえずりなどの鳴き声で24種確認できました。最後に鳥合わせをしているとき、ブッポウソウが一声鳴き、参加者の一人が素早くその姿をカメラに収めました。やっぱりブッポウソウは美しいですね。野鳥の子育てが無事に終わることを祈るばかりです。

確認した鳥は次の24種でした:キジバト、ホトトギス、ツツドリ、トビ、サシバ、ブッポウソウ、コゲラ、アオゲラ、サンショウクイ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ヤマガラ、シジュウカラ、ツバメ、ヒヨドリ、ウグイス、メジロ、ムクドリ、ニュウナイスズメ、スズメ、セグロセキレイ、イカル、ホオジロ、ノジコ

 

探鳥会で撮影された野鳥と探鳥会の様子(鳥の写真はJ.M.撮影)


▲ツバメの幼鳥


▲桑の実を食べるヒヨドリ


▲最後の鳥合わせで現れたブッポウソウ


▲ニュウナイスズメの雄


▲カワラヒワの幼鳥


▲探鳥会の様子


▲探鳥会の最後の鳥合わせ

 

6月の定例探鳥会のご案内

アカショウビンがの声が盛んに聞こえる季節になっています。野鳥は産卵、抱卵、育雛など子育ての真っ最中です。少し距離を置いて、鳥たちの大切な子育ての様子を観察してみましょう。

【日 時】令和6年6月22日(土)4時30分~7時30分
【集合地】「森の学校」キョロロ駐車場
【日 程】4:30 探鳥会開始
     7:20 鳥合わせ・情報交換
     7:30 終了予定

 

最近撮影された野鳥(すべて樋口撮影)


▲カッコウ


▲サシバ


▲モズ


▲ウグイス


▲キセキレイ


▲ノジコ