インターン生が里山の生き物を紹介

7月20日(木)から24日(月)の5日間にかけて、妙高市にある国際自然環境アウトドア専門学校(i-nac)から2名の学生がキョロロへとインターンシップにやって来ました。二人とも里山の自然や環境学習に興味があり、インターンシップ期間中はキョロロ館内の生体の管理やフィールド整備、子どもたちの環境学習の補助などの業務を体験していきました。お二人の紹介もかねて、本記事ではインターンシップ生が魅力を感じた里山の生き物について紹介してもらいました。

【インターンシップ生 榊原さん】
国際自然環境アウトドア専門学校の自然ガイド環境保全学科2年の榊原海翔です。インターンシップ中にはフクロウやオオクワガタなどのいくつもの素敵な出会いがありました。特に印象深かったのがアカショウビンとカワセミです。インターンシップ中に「キョロロロロロ~」というキョロロの名前の由来であるアカショウビンの鳴き声を聴くことができたのです!残念ながら姿を観察することはできませんでしたが、アカショウビンの声が聴けただけでも満足でした。アカショウビンの代わりにその仲間であるカワセミは毎日見ることができました。カワセミはブッポウソウ目カワセミ科の野鳥で主に水辺に生息しています。体はスズメほどの大きさですが、クチバシが長くスズメより少しだけ大きく見えます。とてもきれいな青色をしているため飛ぶ宝石とも呼ばれています。餌の取り方が面白く空中から水面に向かいダイブして魚や水生昆虫を捕ります。小さいくてとても綺麗な鳥だけど餌の捕り方が他の鳥と違って力強さ感じ、そこからたくましさと愛くるしさを感じます。

(写真:村山暁, 松之山野鳥愛護会)

私はこれまでに何度かカワセミを見る機会があったのですが、いつも水の中に入る瞬間しか見ることができませんでした。キョロロではじっくりと観察できて最高でした。カワセミは警戒心が強く、近くを通るだけで逃げてしまします。しかしそんな時でもきれいな青色の背中を見ることができ、それもそれでかわいいので是非見てほしいです!

キョロロではカワセミ以外にも多くの野鳥を観察できます。そんな鳥いっぱい自然いっぱいのキョロロに来て実際に観察してみてはいかがでしょうか?きっと森の学校キョロロとキョロロがある松之山が大好きになると思います!

【インターンシップ生 宮本さん】
こんにちは、インターンシップ実習生としてキョロロでお世話になりました、「自然環境アウトドア専門学校」の宮本桐子です。里山、自然環境保全に興味を持ち、学校で日々学んでおります。キョロロではそんな里山の生き物にたくさん出会うことができました。トノサマガエル、ニホンアカガエル、キタノメダカにアカハライモリなどなど、沢山の生き物たちが住んでいます。来館した子どもたちが楽しそうに追いかけたり、雨が降ってきても昆虫の観察に夢中になる姿にとても嬉しい気持ちになりました。

私は今回の実習中に、沢山見ることのできたトンボ、その中でもイトトンボについてご紹介したいと思います。
イトトンボはトンボ目イトトンボ科。同じトンボ目のオニヤンマやシオカラトンボとの大きな違いは、とまった時の翅(はね)の状態にあります。オニヤンマなどが翅を広げてとまるのに対し、イトトンボは翅をピタッとくっつけるようにしてとまります。

その中でも特に紹介したいのが、水面でたくさん飛んでいた、「オゼイトトンボ」です。体が細く、3~4㎝ほどの小さいトンボですが、鮮やかな青や黄色が繊細な体に合っていてとても魅力的です。写真は交尾中で、前にいるのがオス、後ろにいるのがメスになります。オスは青色が鮮やかで、メスもきれいな黄緑色をしています。

よく似た「エゾイトトンボ」との見分け方は、腹部第2節(背面)の模様が、オゼイトトンボは黒い部分がワイングラス状、エゾイトトンボはスペード状。どちらもキョロロの周りに住んでいるので、ぜひ捕まえて観察してみてください。その際には、トンボの顔もしっかり見てみてください!かわいい目に癒されると思います。

 

【市民協働調査】川虫しらべ【小坪野沢】

先週の7月22日に「川虫しらべ」を開催しました。また越道川で調査をする予定でいましたが、開催時間になった途端に土砂降りの雨になってしまいました。しばらくして雨は弱くなりましたが、増水の可能性も予見されたので、比較的危険の少ない小坪野沢で実施することになりました。

雨は降り続き、時々強くなったり弱くなったりと、コンディションとしてはなかなか大変な調査でした。しかしながら、参加された皆さんのご活躍もあり、多くの種(31種類)を確認することができました。写真のような大きいゲンジボタルの幼虫も採れました。成虫のシーズンは終わっているので、おそらく来年まで水の中で暮らすのでしょう。


▲ゲンジボタル(幼虫)

暑い日が続き、川で涼みたくなる今日この頃ですが、河川での活動は危険を伴う場合もあります。その地点では雨が降っていなくても、上流で雨が降ると、急に増水することがあります。十分に周囲の状況や、雨雲の動きに注意して、安全に活動することを心がけましょう。

【確認された生物(順不同)】モンカゲロウ、ニホンカワトンボ、オニヤンマ、ミルンヤンマ、コサナエ、フサオナシカワゲラ属の一種、オナシカワゲラ属の一種、アメンボ、シマアメンボ、ヘビトンボ、センブリ属の一種、シロズシマトビケラ、ウルマーシマトビケラ、ツメナガナガレトビケラ、マルバネトビケラ、オオカクツツトビケラ、カクツツトビケラ属の一種、ゲンジボタル、クシヒゲマルヒラタドロムシ、ヒゲナガガガンボ属(Hexatoma属)の一種、ガガンボ属(Tipula属)の一種、ハマダラナガレアブ、ユスリカ科の属未同定種、ミズムシ(等脚目)、サワガニ、カワニナ、ナミウズムシ、アブラハヤ、ドジョウ、ツチガエル、ニホンアカガエル

【市民参加型生き物調査】カニムシしらべ【第2回報告】

去る7月17日にカニムシしらべの第2回目を開催しました。非常に暑い日だったので、ブナ林の林床で採集を行いました。採集方法については第1回の様子をご覧ください。


今回は3種(10個体)のカニムシが採集されました。小さな若虫(成体になっていない子供のカニムシ)が多く、探すのが難しかったかもしれません。次回は再来月の9月に開催となりますが、今度は成体になった大きいカニムシが採れることを期待したいですね。

・ニホンカブトツチカニムシ
・チビコケカニムシ属の未記載種
・モリヤドリカニムシ


▲モリヤドリカニムシ(若虫)


▲チビコケカニムシ属の未記載種