5月の「こども探鳥会」の報告

5月13日に行われたこども野鳥の会の探鳥会の結果を報告します。

午前8時から9時30分

天気:晴れ

参加者 大人16人、小学生16人、幼児1人

 好天に恵まれたこども探鳥会は、野鳥だけでなくカエルやヘビや虫などたくさんの生き物観察会となりました。

 まつのやま学園のグランドにはコチドリが観察でき、産卵場所を探しているようでした。夏鳥のサンショウクイ、ノジコ、オオルリ、サシバ、ツツドリ、キビタキの声を聴きながらの探鳥会は楽しかったです。

 用水池の淵では、地元の農家さんがカルガモの巣を見つけ案内してくださいました。10個の卵を確認できました。

 ドドドドっというヤマドリの羽打ちも聞くことができました。オスが羽を打つ音で、母衣打ち(ほろうち)、ドラミングとも言います。

 観察路で見つかったヒミズの死骸にはみんな興味津々でした。

 途中で大きなシマヘビが現れ、みんなが体に障っていました。

 また、田んぼの稲株にシュレーゲルアオガエルの卵塊も見られ、こどもたちは目を輝かせていました。

 29種もの野鳥を確認できた意義あるこども探鳥会でした。

確認できた鳥 29種

 ヤマドリ、カルガモ、キジバト、アオサギ、ツツドリ、コチドリ、サシバ、カワセミ、アオゲラ、サンショウクイ、カケス、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ヤマガラ、シジュウカラ、ツバメ、ヒヨドリ、ウグイス、メジロ、ムクドリ、キビタキ、オオルリ、ニュウナイスズメ、スズメ、ハクセキレイ、カワラヒワ、イカル、ホオジロ、ノジコ

当日の写真から

サシバ 髙橋撮影

コチドリ 髙橋(小4)撮影

ノジコ 村山撮影

カルガモの卵 髙橋(小4)撮影

ヒミズの死骸 村山撮影

シマヘビを触る子供たち 斎藤撮影

シュレーゲルアオガエルの卵塊 村山撮影

観察会の様子 斎藤撮影

最後の鳥合わせ 斎藤撮影

 

 

【森のめぐみを暮らしの中に】間伐&スウェーデントーチ・カトラリーづくり:里山の生き物サポーターズ②

「里山の生き物サポーターズ」は里山管理活動と連動した市民参加型生物多様性保全活動です。里山の田んぼ、ため池、森、草地をフィールドにした里山管理活動を通して、みんなで楽しく生き物が暮らしやすい環境の創出や維持を目指しています。
5月は「間伐&スウェーデントーチ・カトラリーづくり」をテーマに、スギや低木の間伐を行い森を明るくすることと、間伐木をスウェーデントーチやカトラリーに加工することにチャレンジしました。
スウェーデントーチ(焚火用に切れ込みを入れた丸太)は近年キャンプなどでのアウトドアアイテムとして人気のある丸太型の焚火です。またカトラリーづくりでは、里山整備で伐った木々の枝を材料にした道具作り体験を通じて、自然のめぐみについて考えました。

まずはスギの木を1本伐倒しました。
伐倒したスギをノコギリを使って約40cm間隔で玉切りにしていきます。
直径15~20cm前後の太さですが、伐るのはなかなか大変です。
ノコギリの使い方なども学びながら、みなさん黙々と伐っていきます。


玉切りにした丸太は、太いところの年輪を数えると20年以上ありました。
20年以上、成長しながら二酸化炭素を吸収し、炭素を蓄積してきたということになります。
チェーンソーを使って十字の切れ込みを入れ、スウェーデントーチの完成です!

参加者それぞれ1本~お持ち帰りいただきました。乾燥後、アウトドアアイテムとしてぜひお楽しみください♪

続いては低木の間伐体験。ここでもノコギリを使って、低木を伐採していきます。
このような雑木林の低木伐採は燃料の確保のために行われてきた伝統的な里山管理で、松之山では「ボイ伐り」と呼ばれています。
燃料として森林資源をほとんど使わなくなった現在、キョロロの森の中には管理が停止した低木の群落が多く見られます。
間伐により林床の光環境が改善することで、林床を生息環境とする様々な植物の成長を促す効果もあります。


伐採した木々は積み上げ、昆虫の産卵床や隠れ家のための「昆虫ハウス」としました。

そして、それぞれお気に入りの枝を切り、そこを柄の部分としたカトラリーを作りました。クロモジのさわやかな香りも広がります。
太さ、形、色など世界に一つしかないオリジナルカトラリーです。


里山整備活動で生じた間伐材をぜひ暮らしの中で使ってみてください!

【カエルの鳴き声が響く】5月の夜の里山探検の報告

5/20(土)に夜間の里山で活動する生き物を観察する、「夜の里山探検」を開催しました。水辺の生き物を懐中電灯で探したり、ライトトラップで夜行性の昆虫を集めたりして、その行動を観察しました。

この時期は日が沈むと途端にカエルの鳴き声が響き始めます。キョロロの田んぼやため池ではトノサマガエルやツチガエルなどの様々なカエルの合唱が聞こえました。特にアマガエルの大合唱はこちらの声が聞こえなくなるほどの大音響でした。森の中の池ではモリアオガエルの鳴き声も聞こえました。残念ながら産卵の様子は観察できませんでしたが、近日中に卵塊が木の枝の上で見られるようになるのではないでしょうか。その他にもトノサマガエルやモリアオガエル、オオコオイムシ、ミズカマキリ、ガムシなどが夜の水辺でじっとしている様子を観察できました。昼間と違ってほとんど逃げないため、素手でそうした生き物を捕まえることもできました。


田んぼの中にはトノサマガエルやモリアオガエルが見つかりました。近づいても逃げないか、逃げてもすぐに岸辺に戻ってきます。カエルの夜間視力は人間よりもずっと良いので私たちが見えていないということは無いはずなのですが、どうして昼と夜でこんなにも行動に差が出るのでしょうか。


枯葉が積もった水溜りにはヤマアカガエルやニホンアカガエルカエルが隠れていることもあります。これらのカエルも昼間よりも夜間の方がずっと簡単に捕まえられます。


今回の夜の里山探検ではライトトラップのシステムを大幅に変更。多少の雨でも設置できるように、タープテントを利用したライトトラップにしてみました。水銀灯の光を当てた白布には多数のモンカゲロウの仲間(モンカゲロウやトウヨウモンカゲロウ)が集まった他、甲虫の一種であるジョウカイボンや様々なガ、ガガンボなどの多数の昆虫が観察できました。


白布だけでなくテントの屋根の内側にも多数の昆虫が集まりました。興味深いことに白布とテントの屋根でそれぞれ集まっている昆虫が微妙に異なっていました。

次回の夜の里山探検は6/3(土)に開催します。当日は現在行っている企画展と関連した特別イベント「舘野鴻さんトークショー&観察会」も開催いたします。どちらもまだ定員に達していませんので是非ご予約下さい。