<開催報告>「探究×雪虫」モニターツアー【捕獲せよ!豪雪の上を歩く謎のムシ「雪虫」 -里山の自然科学館で生物多様性を調べる探究学習の旅-】

2月25日(土)に雪上に出現する不思議なムシ「雪虫」をテーマとした探究型自然体験のモニターツアーを実施しました。
オリジナル採集道具「吸虫管」づくり、雪虫の採集と観察・標本づくり、挑戦状ワークシートで館内見学など、雪虫をキーワードにした里山の生物多様性について、体験的に理解を深める内容です。

県内外から、たくさんの皆さんからご参加いただきました。
自己紹介や本日の流れの説明の後、さっそく「吸虫管」づくりからスタートです。

「吸虫管」は小さな昆虫専用の捕獲道具です。
今日のターゲット「雪虫」を採集する道具を自作しました。


その後、スノーシューを履いて野外で雪虫を探しました。今回はキョロロのすぐ隣のスギ林で探します。
淡雪がちらちらと降る雪景色の中、降雪中はなかなか雪虫を見つけるのは大変なのですが・・・

「あっ!いた!!」「こっちにもいた!」
幹の周りを探してみると、雪上にいる小さなムシたちが次々に見つかりました!




ここで先ほど自作した吸虫管の登場です!

管の先端を雪虫に近づけ、もう一方の管を吸うと、次々に小さな雪虫が管に入ってきます。
クモの仲間、トビムシの仲間、いろいろいそうです。



捕獲した雪虫を室内でじっくり観察します。
「足は6本ある!」「触角が長い」「これは足が8本だから・・・クモ⁉」
顕微鏡のモニターに映し出された雪虫たちが、どんな形をしているのか、どんな生き物の仲間なのかを調べていきます。



観察した雪虫を標本にすることが今回のゴールの一つ。
小さな雪虫を標本にするのはなかなか難しいのですが、みなさんピンセットや針などを上手に使いながら標本を作っていきます。
また科学的価値もった標本を残すために、ラベルに採集地・採集日・採集者などをしっかり記入し標本につけました。
今回採集した雪虫は、研究員がその後同定作業を進め、国際的な標本データベースへの登録も行います。


ワークシートをもとに、雪虫の特徴を探り、また「なぜ、雪虫は雪上に現れるのか?」について、各々考えてみました。
エサを食べるため、体温を温めるため、など子どもたちはいろいろなアイデアを考え、発表してくれました。



最後は挑戦状ワークシートをもって館内見学もお楽しみいただきました。

今回の探究体験にはキョロロの4名の学芸スタッフがサポートしながら進行しました。



スノーリッチな里山に現れる謎のムシ「雪虫」をテーマに、自然科学館で里山の多様性を体験的に探究しました。
雪が降る地域・季節ならではの体験として、雪虫をテーマとした体験を引き続き開催していきたいと思います。
ご参加いただいた皆様大変ありがとうございました。

【市民協働調査】雪降りの中の2月の探鳥会

松之山野鳥愛護会と「森の学校」キョロロが共同開催する、定例探鳥会が2月25日(土)の午前8時30分から10時40分にかけて行われました。

あいにくの気温の低さ(開会時-1℃)と雪降りが続く中で確認できた鳥は、カルガモ、ヤマガラ、シジュウカラの3種類にとどまりました。
カルガモは
越道川で川面を泳ぐ2羽の姿を、ヤマガラとシジュウカラは声のみの確認でした。
スギの梢を飛び交うカラ類と思われる数羽の群れを観察できましたが、残念ながら種類の特定には至りませんでした。
しばらく暖かい日が続いた後の真冬に戻った今回の探鳥会では、鳥たちは籠っていたのでしょうか。

観察が進むにつれて、降り続く雪で木々の雪の華がしっかり咲いてきました。
また、道すがら雪面にはクロユキノミ、ユスリカの仲間、ナミテントウなどが見られました。
雪が降っていても自然観察は楽しかったです。

参加者 大人9名、小学生3名
確認種 カルガモ、ヤマガラ、シジュウカラ (合計3種)

【当日撮影された写真】
雪の降る中、川面を泳ぐカルガモ

雪の止み間の雪里

ユスリカの仲間

ナミテントウが雪面を歩いていました

自然薯(ヤマノイモ)の花柄に雪の華が咲いていました。

降りしきる雪の中の開会

川面を観察する参加者

 

探鳥会当日以外の暖かい日には様々な野鳥が観察できました。

【最近撮影された野鳥】
クルミの幹に擬態している?アオゲラ。
直前まで飛翔していたため辛うじて認識できました。
探してもなかなか見つからないと思います。

イチョウの幹に化ける?アオゲラ
このアオゲラも飛んできて止まったので分かるのですが、いつまでもじっとしていました。

餌探しに忙しいカケス

人家周辺をよく訪れるジョウビタキ(オス)

1月の探鳥会の報告・2月の探鳥会のご案内

令和5年1月28日に開催された定例探鳥会の報告

降りしきる雪の中、アトリが100羽を超える大群で飛び交い、スギの梢に止まってはスギの実の種に群がっていました。川面にはカルガモが数羽浮かび、ミソサザイが林床を飛び回り、アオゲラは木から木へ渡り合っていました。ツグミやカケス、ヤマガラなどは鳴き声での確認だけでしたが、野鳥はどんな悪天候でもあっても餌を食べるために必死に生きている姿を垣間見た探鳥会でありました。

確認種 10種
カルガモ、アオゲラ、カケス、ハシブトガラス、ヤマガラ、シジュウカラ、ヒヨドリ、ミソサザイ、ツグミ、アトリ

探鳥会の様子

アトリの群れ 樋口撮影

アトリの群れ 森撮影

雪が舞う川面を泳ぐカルガモ

シジュウカラもスギの種を食べていました 森撮影

また、2月1日、松之山温泉の旅館から「森の学校」キョロロに「玄関に鳥が落ちている」との連絡が入り、引き取って調べたところ、松之山では未確認種のカヤクグリ(イワヒバリ科)であることが分かりました。
松之山野鳥リストに1科1種を加え、全体では1949149種になりました。先の記事でも紹介しています。

カヤクグリ 全長16㎝ 「森の学校」キョロロで村山撮影

羽を広げたカヤクグリ 開翼長26㎝ 「森の学校」キョロロで村山撮影

2月の定例探鳥会をご案内します。

【日 時】 令和5年2月25日(土)午前8時30分〜
【集合地】 「森の学校」キョロロ駐車場
【日 程】 午前8時30分 探鳥会開始
                探鳥会に続いて、鳥合わせ・情報交換
      1130分 終了予定
【定 員】 20名「森の学校」キョロロにお申し込みください。
【コロナ対策】基本的な感染防止対策にご協力をお願いします。
【その他】 防寒対策をお願いします。

最近撮影された野鳥の写真

ヌルデの実を食べるジョウビタキ 村山撮影

ジョウビタキ 樋口撮影

銀杏を食べるカケス 樋口撮影

クマタカ 樋口撮影

クマタカ 村山撮影

川面を泳ぐカワアイサの群れ 村山撮影

羽繕いをするオシドリのペア 村山撮影

オシドリ 村山撮影

クルミを咥えるオオアカゲラ 村山撮影

木の枝で餌を探すコゲラ 村山撮影

降り続く雪の中のヤマガラ 村山撮影

雪消し用に山の水を引いているホースの口から水を飲むヤマガラ 村山撮影